広大な雪原を散歩する・・・・
【歩くスキーとは?】
 近頃「ウォーキング」がもたらす良い健康効果がクローズアップされておりますが、皆さんも散歩などをはじめとして何らかの意識を持って「ウォーキング」されたことがあるのではないでしょうか。良い効果の正体は有酸素運動で、比較的ゆっくりとした運動をすることで身体への刺激(主に心肺機能への)を与えてより長い時間継続すると身体機能が活性化されるというところにポイントがあります。春夏秋はトレッキングやハイキングなどで楽しまれる人も多いでしょう。今回は冬場のウォーキング、歩くスキーを紹介します。
 これは特殊なものではなくていわゆるクロスカントリースキーのスタイルです。ただし、クロスカントリースキー(以後クロカンスキー)というとノルディック競技のレースを連想される方も多いかと思われますがそれとは趣向を変えて、のんびりと新雪の森に踏み込んでみたり、コース上の冬の景色を楽しんだり、場所によっては凍結した湖や沼の上も散歩できたりというこの時期ならではの発見もあり、と言わば雪原散歩・ハイキングと表現するのが適切かもしれません。ですから苦しいクロカンスキーのイメージをお持ちの方も違う視点から捉えられると良いかもしれません。
 また、最近はスノーシュー(雪国のかんじき様の履物)で雪原を歩くスノートレッキングというのもありますのでそちらも歩くスキーと同様の効果もありますのでご参考ください。一方、クロスカントリースキーには下りも楽しめるテレマークスキーなどもありますし、スキーといえば“ゲレンデスキー”となりがちですが、たくさんの分野があります。
【使用する用具】 
         かかとが浮いている状態がわかります。

まずスキー板ですが、アルペン用の板とは違う特徴があります。クロカンといえども様々な種類があるのですが、ここで触れるツアー(ツーリング)用の板でさえ、アルペン用のそれよりだいぶ細めに感じられることでしょう。それと何より金属エッジがありません。(クロカンでもテレマーク用や山スキー用と呼ばれるタイプにはありますがここでは例外とします。)よって取り回しが大変軽快にできることになります。その反面、ストップやターンに若干のテクニックが必要となります。また、使用するブーツもアルペン用とは大きく異なり、見た目は普通のトレッキングブーツのような形をしています。さらにバインディングがブーツの先端のみ固定(かかとが浮くようになってます。)されるため、アルペンスキーから見ると下りに不安を感じる方も多いでしょう。しかし、極端に急斜面でなければ大丈夫です。はじめはゆるやかな小高い丘から下ってみるとその特長がつかめます。きちんとしたスキーの初歩が出来ていれば安全に下ることはそう難しくはありません。クロカンではもちろん登りもあります。ツアー用の板であればたいがい足を固定するバインディングの位置の板の雪面側にはステップカットと呼ばれるギザギザが刻まれていて、後ろに滑り出してしまうのを防ぐようになっています。(ノーワックスタイプが初心者には便利です。)そのおかげで真直ぐに斜面を登り始めても後ろに下がることがないのです。ストックについてもアルペンと若干異なります。ツアー用は長さはわきの下くらいのグリップになるようにするのが基準で、クロカン競技のフリー用ではもう少し長くなります。バスケットと呼ばれる雪受けも若干大きめにできています。これは新雪に入り込んだ際に大変重要なポイントになります。最近は長さの変わるタイプもあってとても便利です。重量的にはできるだけ軽いものがおすすめです。
 用具は始めから揃えなくてもレンタル用具のある常設コースもあります。それらを利用すると容易に体験できるでしょう。ここ福島県でも何ヶ所かありますが、最も有名なのは裏磐梯の磐梯高原休暇村常設コースがあげられるでしょう。参考にしてください。

【上手な楽しみ方】
○まず初めはスクールに入るのが良いかもしれません。
 資料を検索すると全国各地にクロカンの常設コースや、ツアー企画を行っている団体、ペンションなどが多く見受けられます。このようなところで基礎を教わってからツアーに出かける方がリスクは少ないかもしれません。

○楽しみ方はいろいろ
 グループで雪中散歩がてらランチをしたり、動物の足跡をたどってみたり、冬の木々を観察したりとさまざまです。自分のペースで進むことで楽しみながら有酸素運動ができ、運動不足の解消には効果抜群なだけでなく、老若男女が楽しむことができるのも魅力です。
 また、コースの雪が無い状態を知っている場合は、こんなところも入り込めるんだ、という冒険心もかきたてられることも楽しみの一つといえるでしょう。その逆に雪が無くなってから再びその場所を訪れても新たな発見があるはずです。

○注意しなければいけないこと
 大自然相手のスポーツですから注意を怠ると重大な事故につながることもあります。
 ・単独行動はなるべく避けましょう。
 ・気象状況には十分注意しましょう。
  雪の風景は時としてどこも同じような光景に感じることがしばしば。
  吹雪で視界の悪い時などは特に注意が必要です。
 ・基本的にはどんな場所でもコースになりうるのですが、立ち入り禁止の場所や危険箇所、
  自然保護の観点からふさわしくない場所などには配慮が必要です。
  新雪は思わぬ深さで転倒時などは起きられなくなってしまうこともあるので
  初心者の方は必ず熟練者と行動することがいいでしょう。
 ・いざという時のために防寒具や非常食は持っていくと良いでしょう。
  安易な軽装は思わぬ天候の急変などに対応できませんので注意しましょう。
  一生懸命やると意外と汗をかきます。しかし停まったりすると急激に冷えるので注意が
  必要です。(インナーウエアを工夫するなど)
 ・自然を大切にして、ゴミなどは必ず持ち帰るようにしましょう。
 ・紹介した楽しみ方はあくまで初心者が整備された環境で楽しむことを前提に説明しております。過酷な冬山登山など(山スキー含む)は想定しておりませんのでくれぐれもご注意ください。最近は中高年者のトレッキングブームで夏山と同じ気分で冬山に入られ、遭難するケースが増えています。自身の危険でもありますが捜索する人々にも迷惑となることを忘れずに、安易な判断は避けましょう。

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