「駅伝指導を通して」

鏡石町立鏡石中学校教諭 近藤 仁一

1<駅伝との出会い>

 中学2年の時、初めて駅伝に出会い練習そのものは厳しかったが、練習の雰囲気はチームワークがとてもよく楽しいものでした。また、監督の先生の駅伝に対する情熱がすごいものがあり、私たちは、その情熱に引きつけられ走っていました。その時の先生が指導された言葉が今でも数多く残っており、それが現在の駅伝指導にも大いに生かされています。今考えると、どちらかというと技術面よりは精神的な面や取り組みの態度面だったように思います。その成果があって中学2・3年と県大会の1区を走ることができ3年の時には6位に入賞することができました。何も知らないところから始まり努力すればそれなりの成果が現れるということを初めて味わったように思います。その時から、駅伝の不思議な魅力に取り付かれてしまったように思います。

2<駅伝の魅力>

駅伝といえば「襷」という言葉が、最初に浮かんできます。そして、チーム一人ひとりの力が結集されて戦え合えるのが駅伝だと思います。次の走者のために1秒でも1メートルでも早く襷を渡したいと思う気持ちがどのくらい強いかで勝負は決まります。
また、練習中ひとりで走って気分よくなり、目標地よりもかなり遠くに行ってしまった時も何度かありました。専門的な言葉でいう「ランニングハイ」という状態がこのことかもしれません。

3<指導の中で心がけていること>

指導していくうえで基本と考えているのは、心・体力面・技術面であり、特に中学生は心の面がかなりのパーセントを占めるのではないかと思います。同じ中学生やってやれないことはない、目標をもち努力すれば限りなく目標に近づくということを信じて指導しています。次に、心のトレーニング・体力面・技術面のそれぞれについて取り組んでいることを紹介します。

【心のトレーニング】

  • 元気なあいさつ、返事ができる。
  • 感謝のきもちを忘れない。
  • 根気よく継続する力を身に付ける。
  • 練習ノートを毎日記録する。内容で意識の高さがわかります。
  • シューズや着るものなど、物や用具を大切にする。
  • 勉強との両立に努力する。(提出物、宿題はきちんとする。)
  • 生活面で自分の行動に責任をもつことができる。
  • 雨や雪などの天候に慣れ、いやだと思わない。
  • 一度言われたことは、徹底できるよう意識する。
  • 誰からも頼りにされるような人になるよう努力する。
  • 服装や頭髪など身だしなみがきちんとしている。
  • 目標をしっかり具体的にもつ。
  • 自分の周囲の人にも目が届く。(視野を広くもつ。状況判断ができる。)
  • 物事をプラス思考で考えるようにする。
  • 走ることだけではなく人間的に成長するように心がける。
  • 朝、自分で起きる。
  • あたりまえの事があたりまえに出来る。

【体力面について】

  • 健康管理に努める。規則正しい生活のリズムを大切にする。
  • 食事は3食きちんと摂る。量よりもバランスを考える。
  • 体重・体脂肪のチェックを2週間ごとに記録する
  • 貧血検査を定期的に行い、赤血球数、ヘモグロビン数、ヘマトクリット数など各自表に記録し練習メニューの参考にする。
  • 下校後の時間の使い方を能率のよいように工夫する。
  • 食事の栄養面に関する話やプリントをよく読み、自分に当てはめて考える。
  • 体育の授業や部活動を一生懸命やる。

【技術面について】

  • 自分の目標とするタイムやペース配分が言える。
  • その日の練習のポイントを理解して行う。
  • 練習は自分から進んで行う。
  • 靴のかかとを履くときもつぶさない。靴ひもは2回縛る習慣をつける。
  • 練習内容は、体調の状態により変更することも考える。ただし、容易に途中でやめるたり本数を減らすのは、強い心が育たないことも配慮する。
  • 練習は、スピード、スタミナ(持久力)、リカバリー(つなぎのジョッグ)の組み合わせで臨機応変に飽きないようなメニューを考える。
  • 駅伝の試走は、納得するまで走る。(コース高低さ、距離感、目安、本番の想定など)
  • 休養日を上手に設定する。
  • 練習でのポジションキープも考えさせる。
  • フォームは個人の特徴を生かしながら最低限の基本を身に付ける。
  • 登り坂の利用。
  • 悪コンディションの中での練習。

【その他】

  • 現在勤務している鏡石中学校では、特設陸上、駅伝部なのでそれぞれが自分の所属する部活動と両立している。
  • 学校の近くに公認全天候型の鳥見山陸上競技場があり、非常に練習環境に恵まれている。芝生の公園もあり疲れを取るジョギングには最適。
  • 地域、学校全体として応援、協力体制ができているので心強い。
  • 特設部ということもあり放課後は、シーズン中のみなので、朝練習は年間継続して行っています。朝練習は30分程度なのでジョギングや基本的な動き作りが主です。内容といううよりは時間に遅れないように朝、自分で起きてくるといった精神面の方が大きいと思います。
4<全国大会直前の練習内容>
月 日 朝練習内容 放課後の練習内容 練習強度
12月1日 4,000mjog ロードレースのコース試走3km,400m×1
12月2日 牧場の朝ロードレース大会3km
12月3日 REST(休養日)   ×
12月4日 4,000mjog 2,000mjog、400m×7(73”)
12月5日 4,000mjog Gロード走 8,000mjog、流し5本
12月6日 基本走 外周Bコース 7,000mjog、流し5本
12月7日 4,000mjog 公園芝生40分jog、坂ダッシュ5本
12月8日 4,000mjog 400m×1
12月9日 あづま荒川クロスカントリー大会3.8km
12月10日 REST(休養日)   ×
12月11日 3,200mjog 外周Bコース 7,000mjog、流し5本
12月12日 3,000mjog 3,200mjog、400m×5(73”)
12月13日 3,200mjog Gロード走 6,000mjog、(スピードUP)
12月14日 3,200mjog 公園芝生40分jog、坂ダッシュ5本
12月15日 3,500mjog 外周Bコース 7,000mjog、流し5本
12月16日 REST(休養日)   ×
12月17日 3,500mjog Gロード走 600m×5(1’16〜20”)
12月18日 3,500mjog 外周Bコース 7,000mjog、流し5本
12月19日 3,500mjog 外周Bコース 5,600mjog、流し5本
12月20日 3,500mjog Gロード走 6,000mjog、(スピードUP)
12月21日 全国大会移動日(山口県) コースjog試走、スパイク流し
12月22日 コースjog、600m×1 コースT・T、コースjog2周(4,000m〜6,000m)
12月23日 900mT・T コースjog試走、スパイク流し
12月24日 全国中学校駅伝大会 8位入賞
※最後に、これまでに数多くの方々にご指導や励ましのお言葉をいただき大変ありがとうございました。今後も初心忘れることなく新たな目標をもってがんばりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

プロフィール
出身 石川郡浅川町出身
経歴 石川郡浅川町立浅川中学校
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福島県立棚倉高等学校
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国士舘大学 体育学部
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埼玉県立川越養護学校勤務
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福島県教員(鮫川中学校→表郷中学校→鏡石中学校)
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現在:鏡石町立鏡石中学校勤務

主な成績
平成2年〜3年 県中学・東北中学駅伝男子2連覇(表郷中学校監督)
平成12年〜13年 県中学駅伝女子 2連覇(鏡石中学校監督)
平成12年 東北中学駅伝女子 優勝(鏡石中学校監督)
平成13年 全国中学駅伝女子 第8位(鏡石中学校監督)