「私の指導法」
                                   福島市立福島第三中学校 陸上競技部顧問 渡部光毅 
 今年度の全国中学校陸上競技選手権大会でのことでした。女子走り幅跳びの表彰が終わりスタンドで待っていると、私の生徒よりも一足早く8位に入賞した沖縄の選手が戻ってきました。そして応援に来ていた家族や先生に深々と頭を下げ、「3年間ありがとうございました。」と感謝の言葉を述べ、両親や顧問の先生も「今まで本当に良くがんばったね。」とねぎらいの言葉を返していました。おそらくこの大会を目標に今まで一生懸命に練習に取り組んできたに違いありません。そして、全員で感激の涙を流しながら健闘をたたえ合っている姿に、私は感動と共感を覚えました。
 選手の中には1年生から結果を出す才能豊かな選手もいますが、全国的に見てもごくわずかです。やはり、中学校3年間を見通した指導を行い、3年生になったときに最良の結果を残してやりたいという思いが私にはあります。昨年、卒業した横山真也は、まさにその思いがピッタリ当てはまる選手でした。
 彼は入部当初から膝の成長痛を抱えていました。膝の痛みが和らいだ時に見せる腰が高く伸びやかな走りに大器の片鱗を感じた私は、1年目に体力作りと基本的な動き作りに重点をおき、多くの距離を走らせませんでした。2年生になり、徐々に膝の痛みが消え始め、充実した練習ができるようになりました。リレーのアンカーも務める彼のスピードを生かし、種目を800mに絞り全国への挑戦が始まりました。
 それから1年後の8月、彼は全国大会の決勝という晴れ舞台にいたのです。結果は8位でした。上位入賞を目指していた彼にとっては、決して満足できる結果ではなかったかもしれません。しかし、彼が歩んできたこの3年間を思うと、私には十分に満足できるものでした。そして、「今まで本当に良くがんばったな。」「全国の8位であることに誇りを持て。」と、表彰を終えて帰ってきた真也に声をかけました。それは、まるで今年の全国大会で見た沖縄の選手を囲む光景とまったく同じものでした。
 彼は現在、田村高校で陸上競技部の一員として活躍し、高知国体にも本県の代表として出場しました。近い将来、全国インターハイで活躍する日を楽しみにしています。
 福島第三中学校に赴任して、今年で5年目を迎えました。信夫ヶ丘競技場に隣接という恵まれた環境と、学校長をはじめ関係諸先生方の御理解と御協力を得てここまでがんばってくることができましたことに、改めて感謝申し上げます。
 今年の全国大会では、1年生の三浦茉莉が3位に入賞しました。これからも新たな目標を持って陸上競技に関わっていきたいと思います。
<プロフィール>
 出 身:南会津郡下郷町
 年 齢:40歳
 その他:全日本中学陸上競技選手権大会で3年連続入賞選手輩出が認められ、平成14年度日本陸上競技連盟 河野謙三賞受賞
         平成12年度 男子走高跳  第5位 遠藤 哲哉
             〃    女子800m 第8位 小桧山早織
         平成13年度 男子800m 第8位 横山 真也
         平成14年度 女子走幅跳  第3位 三浦 茉莉

<福島支部中体連陸上競技大会総合優勝後列中央:渡部監督>

<平成13年度福島市立福島第三中学校陸上競技部卒業生と>